20週間でイノベーションが起こせる組織開発メソッド

たった20週間で、バラバラだった個人を一つに束ねビジョンを打ち出す「組織開発」プログラムの赤裸々なノンフィクションあれこれ

コミュニケーションの土壌に欠かせない共感の創り方

コンシェルジュのおもてなし力はどう高めていくか?(その3)

医療法人の組織活性化に効く!

[Tue., 11 Sep, 2015] 東京は昨日までとうってかわって、青空が気持ちいいです。
 
さて、今回で最終回!「病院受付の"おもてなし力"向上作戦」の実例ご紹介です。
(第1回、第2回はこちら↓)
 
会議の中で、出来ていないことを指摘すると、意図は無かったとしても、結果的に個人を問い詰めている、ということはありませんか?
 
まずはポジティブなお声がけにより、相手に受け入れられ、前向きな気分になってもらいます。
 
その上で、「しかし(but)」ではなく「さらに(and)」こうすると上手くいく、こう変えると良くなるかも、という建設的な意見や改善案を差し上げるのです。
 
減点法よりも加算法で意見を積み上げていくことで、相手の共感を生み出し、行動の変化につながることを期待するのです。
 
 
おもてなし力”向上作戦において、当法が介入先で実際に行ったものは、以下のとおりです。
  1. ロールプレイ<第1回の記事>
  2. KPTシートにポジティブ・フィードバックを集積<前回記事>
  3. すぐ出来る”トライ”を、個々に設定し宣言<今回の記事>
 
今回は(3)すぐ出来る”トライ”を、個々に設定し宣言、について共有します。
ポイントは3つだけです。
 
  1. KPTシートのKeep、Problemを全員で共有する
  2. T(トライ)の部分を、個人で考える(5分〜10分)
  3. 各自、皆さんの前で宣言する 

 

前回の続きですが、KPT法という振り返りメソッドを導入しました。
 
まずはKeepとProblemについて、ロールプレイ後にレビューワーからコメントしてもらいます。但し、Problemについては事前に「建設的な改善案、つまりこうすればもっと良くなるとか、これを変えれば良くなる」という意図を明確にしました。
 
それを全員で一斉にシートに張り付け、共有します。ポジティブなコメントを差し上げつつ、改善点や問題点も一緒に指摘し易いわけですね。

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その後、各自が頂いた付箋で一杯になったシートを眺めながら、これから行っていくこと、改善点を幾つも書き出します。最後に、その中でもすぐに出来そうな点を選び、全員の前で共有=宣言して頂く、というわけです。

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(医療アドミニストレータ誌へ寄稿しました)
 
結論として、この方法で自身のくせや不足分に気づいた方が多かったようです。
研修後の感想を一部、ご覧ください。
 
【研修報告より】
・個々の対応能力を見ていただくことで、とても有意義な時間だった
・自分が出来ていること、出来ていないことが良くわかった
・自身の一つ一つの動作を口に出し、実況中継すると、相手の方は安心する
・相手の気持ちになることで、自然とやさしい対応になる
・動作や言葉かけをゆっくりとして、相手を不安にさせないようにする
・他部門との連携をさらに深めたい
 
実は、この方法はダメ出しと同様のことをしているにも関わらず、指摘が相手自身への攻撃ではなく、その人や自分達の気付きになっています。この点で、ポジティブ・フィードバックの有用性が示唆されます。
 
悪いしらせや課題を指摘しなければならない時でさえも、まずはどんなことでも良いので「ポジティブな」ことから発言してみると、相手がちゃんと、話を聞いてくれるかもしれません
 
まずは、今回のKPTシートによる振り返りを、来週月曜日のカンファで始めてみませんか?
(了)
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そうは言っても、ウチの職員じゃあ、顧客とか価値とか言っても、ピンとこないよ〜という声が聞こえてます(苦笑)。
 
いえいえ、対話が出来る関係が構築されていれば、経験や知識、職種による差は心配ありません。
 
山本伸が実際に介入している施設・法人での組織活性化事例を踏まえて、コミュニケーションの実施例をお見せできます。
 
また、院内研修や、職員さんとのコーチングでも活用している「レゴ® シリアスプレイ® メソッドを用いた対話術」も体験できますヨ
9/17(Thu.) @東新宿にて(満席:志高き介護医療職の方で一杯です)

empathyhospital09.peatix.com

 
10/9(Fri.) @東新宿にて(第3回、募集開始)