20週間でイノベーションが起こせる組織開発メソッド

たった20週間で、バラバラだった個人を一つに束ねビジョンを打ち出す「組織開発」プログラムの赤裸々なノンフィクションあれこれ

コミュニケーションの土壌に欠かせない共感の創り方

12時間あれば十分!大学院生のアントレプレナーシップとグローバライゼーションを同時に高めるプログラムとは?

組織活性化に、コミュニケーションの土壌づくりに効く!

異業種共創型でヘルスケア分野に

オープンイノベーションを起こしてみている

 

[Sun., 6 Aug, 2017] 今日の1Shot

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昨年に引き続き、北海道大学の夏期集中講義(Biocamp2017)をお手伝いしました

 


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未来を「手」で描く
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今年のBiocampのテーマは「医療機器」
まさに当方にピッタリのネタです(笑

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高齢社会や医療資源の最適化から、病院の外や在宅現場で使用する医療機器・福祉器具のニーズが急増しています


そこで、患者さんやご家族から共感され、支持されるための医療機器開発を実体験させようという試みです

 

こんなスケジュールで実施しました

【Day1】
9:00-12:00 Lecture from the experts
13:00- Workshop Introduction & Team building
13:45- Skill Building...LSPウォーミングアップ
14:30- Serious Play part1...演習1)介護・医療がなくなった2035年
15:30- Serious Play Part2...演習2)理想的な未来にあるだろう医療機器
16:30- Concept Generation...コンセプト創出
18:00- Presentation...プレゼンテーション&評価
18:40- Homework...宿題発表
18:50- Adios!

 

Day1初日の午前中は、異分野の研究成果を化粧品、医療機器開発に繋げた韓国の事例や、現場の開発秘話、留学と起業、博士号のキャリアに関する講演をじっくりと拝聴

 

友人でオーガナイザーのお一人、繁富香織さんのお話が、特に参加者の大学院生たちに突き刺さってました!

 

午後からは、当方の担当で、デザイン思考を活用した新しい医療機器のコンセプトを創出する実体験

 

もちろん、昨年に引き続きFORTHイノベーション・メソッドを基にしたプログラムです

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まずは自己紹介(これも恒例のYeaaaaaaah!)によりチームビルディング

多国籍な参加者、特にアジアの大学院生たちはノリがとっても良いので、一気にヒートアップ!

 

観察と学びのパートにはレゴ®︎シリアスプレイ®︎メソッド(LSP®︎)を適用

 

個々人が描く20年後の健康社会を対話し、いつもとは違った発想をできる、お互いに安心して発言できる環境を整えていきます

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4分、3分、2分でプロトタイピング
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ゲラゲラ笑いながら、20年後の未来を「手」でつくったら、そんな社会を実現するために必要な医療機器・製品、または製品が使われている状況を、超短時間プロトタイピング

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まずは4分間「手を信じて」創作、お互いに新製品のコンセプトやユーザーのHappyな状況を対話し合います

 

イデアを付箋に書きとめたら、作品を即分解!

 

次は3分間、そして2分間、・・・

 

合計3ラウンドで、1グループあたり12個〜15個、6チームで合計80個近くの新製品アイデアが創出されました

 

手を動かして創作する時間を短くしていくにもかかわらず、参加者が語るアイデアが具体的かつ新しい視点を含むことに、お互いが気付き始めていくのが、とても興味深いのです

 

これを魅力度(Atractiveness)と実現性(Feasibility)の2軸で分類

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特に魅力度の高いアイデア(= What)を、対象者(Who?)及び提供価値(Why?)という視点から洗練し、コンセプトに仕上げていきます

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出来上がったコンセプトを隣のグループ同士でピッチ、即フィードバックの意見や質問を共有します


他者の視点が、アイデアを進化させていきます

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Day 1の最後は、全チームがピッチし、相互に魅力度・実現性(10点満点)を評価

 

<Concept> <Atractiveness/Feasibility>
MediRoom.....................169/163
Happy Healthy House...174.5/165
RoboDoc........................156/169
P.A.L. 2.0........................150.6/132.5
Platform 9......................163/124
Daily Healthy Checker...186/173

 

コンセプトの名称から、なんとなく、どんな機器・システムかを想像できますよね?(笑)

 

最後は・・・明日に備えて、宿題を発表!

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1)顧客候補を発見する
2)既存の技術で出来ることを調査する


そして初日を振り返り・・・

 

LSPを活用したアイデア創発に、多くの参加者が好意的なフィードバックをしてくれました

 

・I could not trust my hand. but, now I can trust mine. This help me have creative thought^^thank you!
・考えるより先に手を動かすのは実験にもいかせるかもしれないと思いました。
・Thank you for your lecture. It's unforgettable experience!
・That's good work. Thank you prof.
・It was difficult to decide ideas.
・Great. Collaborating with other scientist from another field of study. Warm discussion, everyone have their best solution. Therefore we need to work as a team, so everymember could be satisfied. Target market determination is very important first step in product development. Advice from other expert also very beneficial.
・説明することの難しさ
・商品開発の難しさを改めて思い知った
・Amazing opportunity to visualize a concept and turn it into a real business model or opportunity
英語を引き出す方法をよく学べた。ある程度は話せるものだと分かった。
・手で学ぶことは、読むより理解しやすい方法だと思います。
・Hands have a mind of their own.
・手で学ぶこと
・It's great. You can use it right away so you can remember it
・Trust your hand. I understood the meaning after this workshop.

 

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なぜ正味12時間で、ビジネス知識に乏しい大学院生がビジネスモデルをデザインできるのか?
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【Day2】
9:00- Improvement time
9:30- Business Model Generation
10:40- Test & improvement
11:45- Wrap Up & Reflection
13:00- Final Pitch
14:00 Adios!


Day 2は宿題の共有からスタート!

 

自分たちのコンセプトを受け入れてくれるお客さんがいるのか?
技術的に、既に確立されていたり、市場にあったりしないのか?

 

巷のアイデアソンやハッカソンなどでも多くの場合、おおよそ技術や製品は存在していることがとっても多いですよね

 

つまり、知らないことを調査したり、先人の知恵を見聞したり・・・観察と学びの重要性を、ここで確認させるための宿題だったわけです

 

あるチームでは「Nature Physicsに我々のアイデアを実現できる技術があった」とか・・・


別のチームでは「このシステムは、既にいくつもの企業が開発し、販売しているものもある」とか・・・

 

各チーム、調査内容を共有しながら、コンセプトがぐんぐんと洗練されていきます

 

そして、ビジネスモデル・デザインの時間です

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製品やサービスのレベルでは、差別化、独自性を見いだすことが容易ではないからこそ、ビジネスモデルのレベルでイノベーションを志向していくことを、実体験してもらいます

 

1回モデルを構築し、即ピッチ

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お隣のチームからの質問や改善案、そして典型的な「収益パターン」を学習しながら、最終案を練り上げます

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最終プレゼンテーションは、自身も加わったFaculty member4名が10点満点でAtractiveness (魅力度)を評価

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Day 1での相互評価がそれほど高くなかった(6チーム中4位)RoboDocチームが、堂々のWinnerを獲得!

 

いずれにせよ、全6チーム全てが、Day 1から比較すると、相当ブラッシュアップされたビジネスモデルを創出し、堂々とプレゼンテーションしていただきました

(残念なのは、日本人でプレゼンテーションをした人が皆無・・・これについては、後日、改めて記事を書きましょう)

 

 

<Lessons Learned>

Final Reflectionから読み取る限り、多くの参加者は全体を通して、多くを学び、不足を知り、明日からの研究生活に活かすべきヒントを持ち帰ることができたようです

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<What I learned>
> How to make our ideas simple
> Trust your hands, firstly do
> Action lets us absorb & discover knowledge better than learning by memorizing & taking notes
> Don`t fall in love in 1st idea, flexibility is important
> The process of creative thinking

 

<What I missed/lack>
> Be active
> I want to facilitate discussion
> Marketing in detail, how we can find customers
> Creative thinking
> My English is very poor


<Try from tomorrow>
> Think about the benefits for the future and society
> Apply business model to a real product that want to sell
> Planning & session facilitation
> I will make “business model for another product” based on today`s learning
> Presentation skills
> Find a new idea, check the consumers needs (see a statistics)

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ということで、当方の担当した13時から、正味12時間で、科学者・エンジニアの卵たち全チームが、何度かのIterationを経てビジネスモデルの型を学び、デザインする実践ができました

 

また、全て英語での対話、コミュニケーションを強いられ日本人、韓国人にはとってもストレスフルな環境であったと思います・・・その悔しさ、やり切れなさを貴重な経験の糧にして、飛躍してもらいたい

 

一方、アジアからの留学生は相当優秀な方々です

 

これからの彼女・彼らの活躍がとても楽しみ!

来年も、また進化させたプログラムを提供できれば本望ですね

 

 

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入門講座の第1期(7/26)にご参加いただいた皆さんから、素敵なご感想を多数、いただいてます

イノベーションの型を学べたことで、道筋がみえました。後は、型の量稽古をします。
・本を読んだ限りでは実践は難しいかなと思っていたけれど、きょうの研修で自分でもやってみたいと感じました。数をこなしたい。
イノベーションを起こすには型がある。これを数多く実践すべし。
・事前の使命の大事さがわかりました。
・型によって確実に、前に進んでいける感覚が少し理解できたように思う。それぞれの要素【章】においての気づきも今の自分にとっても、とても意義のあるものであった。まずは自分ゴトに活かして、外へ広げて行きたい。
・自分はできる!あとは数をこなすだけ。
・ステップに沿ってやることでイノベーションを起こせるように思いました。
・まず、やってみる。イノベーションを起こしたいときに起こすためにも、まずはやってみる。

 

第2期入門講座は、9/20(Wed.)に決定!

既に募集開始しています

 

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集われたし!!

 

 

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