20週間でイノベーションが起こせる組織開発メソッド

たった20週間で、バラバラだった個人を一つに束ねビジョンを打ち出す「組織開発」プログラムの赤裸々なノンフィクションあれこれ

コミュニケーションの土壌に欠かせない共感の創り方

与えられる医療から選択・参加する医療への転換を(書評)

組織活性化に、コミュニケーションの土壌づくりに効く!

異業種共創型でヘルスケア分野に

オープンイノベーションを起こしてみている

 

[Fri, 18 Aug, 2017] 今日の1Shot

f:id:shyamamo:20170828073903j:image

師匠である真野先生の新刊、目から鱗がポロポロ落ちてきます

 

 

----------

「うまい・早い・安い」の全てを追求することが難しい時代

----------

中公新書なので、とっつきにくそうですが、

本書は医療のことを知らなくても、詳しくなくてもOK

ビジネス書として、興味深い内容が満載です

 

これからのキーワードは

「高齢者」と「テクノロジー」

であることは、誰もが認識していると思います

 

本書は、高度医療の導入や医療技術の普及が、

必ずしも効率の向上や医療費削減に繋がっていないのでは?

 

そんな問題提起のもと、医療イノベーションを起こすために

何を知るべきか、どこから学ぶべきか、

 

いくつものヒントを得ることができます

 

 

----------

チームワークこそが最大の医療イノベーション

----------

イノベーションといえば、未だに技術、製品に目が行きがちな人が少なくありません

 

確かにテクノロジーの影響は、相当大きなものです

 

ヘルスケア・ライフサイエンスに

発展のきっかけとなった「PCR

(遺伝子を高速・指数関数的に増幅する技術)

 

これはRoche社が特許を持ち、

長年にわたって巨額の

ライセンスビジネスを展開してきました

 

(実は当方も、間接的に関与・・・汗)

 

良かったのか悪かったのかはさておき・・・

テクノロジーなくして、

医療の発展・持続性は保てないわけです

 

クリーブランド・クリニックのe-Health、すごいことになっています

 

MyPractice, MyChartなど

診療側、患者側双方でICTプラットフォームが確立され、

かつ連携をしながら情報共有しています

 

米国のみならず、世界的にも地域ごとのICT活用が

医療・介護における重要な役割を果たしていくことでしょう

 

一方で、テクノロジーを使う側のスキル・マインドセットこそ、

イノベーションの肝です

 

その根拠の一つとして、示唆深い研究成果が紹介されていました

 

Effect of Financial Incentives to Physicians, Patients, or Both on Lipid Levels: A Randomized Clinical Trial.

医師、患者、または両者に対する金銭インセンティブが脂質レベルにどう影響するか:無作為臨床試験

Asch DA, et al. JAMA. 2015 Nov 10;314(18):1926-35.

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

この研究では、参加されば金銭が与えられるという条件下、4つのグループに分けての実験が行われました

1)医師のみが金銭を授受

2)患者のみが金銭を授受

3)双方、特に金銭授受は無し(対照群)

4)医師・患者の両方で授受する金銭をシェア

 

このうち医師と患者で金銭的インセンティブをシェアするグループのみが、統計学的に有意に脂質レベルを低下させることが示されたのです

 

(詳細は、ぜひ元文献を当たってください)

 

医師だけにベネフィットがあるのではなく、

患者側のベネフィットが参加意識を高め

治療効果を高める

 

医師と患者のチームワークが重要で、これこそが最大の医療イノベーションなのです!

 

 

----------

小回りのきく外国から学ぶことが重要である

----------

 

真野先生は、海外視察の事例も多数お持ちなので、

その知見から「小回りのきく新興国」から学ぶことを

本書で提案しています

 

例えば、シンガポール、ドバイ、インド・・・

これら各国は、すでに日本を超えている分野や地域があり、見逃すわけにはいかないのです

 

皆保険が機能していない国で、いかに医療を

「うまく(質がよく)、早く(アクセス良く)、安く」

行うとする取組みがなされているかを、学ぶことも重要ではないか?

 

医療の意味。。。

 

技術重視の米国、

生き方重視の欧州、

世間重視の日本

 

そしてGNH(幸福度)の視点でも、成長を無視するわけには行かないのですが、

 

国民が医療に求めるものに歯止めすることも

必要になってきたのかもしれません

 

与えられるだけの医療から

患者として選択・参加する医療へ

 

大きなテーマですね

 

 

 

----------

【入門講座をスタート!】

第1期ご受講者各位から、素敵なご感想を多数いただいてます

イノベーションの型を学べたことで、道筋がみえました。後は、型の量稽古をします。

・本を読んだ限りでは実践は難しいかなと思っていたけれど、きょうの研修で自分でもやってみたいと感じました。数をこなしたい。

イノベーションを起こすには型がある。これを数多く実践すべし。

・事前の使命の大事さがわかりました。

・型によって確実に、前に進んでいける感覚が少し理解できたように思う。それぞれの要素【章】においての気づきも今の自分にとっても、とても意義のあるものであった。まずは自分ゴトに活かして、外へ広げて行きたい。

・自分はできる!あとは数をこなすだけ。

・ステップに沿ってやることでイノベーションを起こせるように思いました。

・まず、やってみる。イノベーションを起こしたいときに起こすためにも、まずはやってみる。

 

第2期入門講座は、9/20(Wed.)

残席3

 

ゼロからイノベーションを計画的に遅延なく、後戻りもせずに実現するファシリテーターの基本的なマインドセットを、実践・ロールプレイ・相互フィードバックにより学び合いませんか?

 

 

 

【0から大組織でイノベーションを起こす方法】

8/30(Wed.) 無料 残席2

 

 

9/9(Sat.) 明石上陸

 

 

 

9/13(Wed.) 若手研究者よ集え

 

 

9/27(Wed.) 無料

ゼロから組織でイノベーションを起こす方法 Forthイノベーション・メソッド体験会 in 沼津

 

 

----------

なぜ、本を読み合うだけでイノベーションが起こるのか?

無料の小冊子で、その全貌を公開中

docs.google.com

 

 

 

Google翻訳

Effect of Financial Incentives to Physicians, Patients, or Both on Lipid Levels: A Randomized Clinical Trial.

医師、患者、または両者に対する金銭インセンティブが脂質レベルにどう影響するか:無作為臨床試験

 

Asch DA1, Troxel AB2, Stewart WF3, Sequist TD4, Jones JB3, Hirsch AG5, Hoffer K2, Zhu J2, Wang W2, Hodlofski A2, Frasch AB2, Weiner MG6, Finnerty DD2, Rosenthal MB7, Gangemi K2, Volpp KG1.

 

目的:医師の金銭的インセンティブ、患者インセンティブ、または共通の医師および患者インセンティブが、高血圧リスクを有する患者の低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)のレベルを低下させる制御よりも効果的であるかどうかを判断する。

 

方法:米国北東部の3つのプライマリケアプラクティスで2011年から2014年までの12ヶ月間の介入を伴う4群、多施設共同、無作為臨床試験。適格プライマリケア医師(PCP)300名が421名のプールから登録された。これらのPCP患者25,627名のうち1503名が登録された。 18~80歳の患者は、10年のFramingham Risk Score(FRS)が20%以上であり、LDL-Cレベルが120mg / dL以上の冠動脈疾患同等物を有していたか、 LDL-Cレベルが140mg / dL以上では10%~20%である。研究者は盲検化されたが、参加者はいなかった。

 

プライマリケア医師は、無作為にコントロール、医師インセンティブ、患者インセンティブ、または共通の医師 - 患者インセンティブに割り当てられた。医師のインセンティブグループの医師は、LDL-Cの目標を満たしている登録患者1人当たり最大1024ドルを受け取る資格がありました。患者インセンティブ群の患者は、投薬遵守に結びついた毎日の宝くじを介して分配された同量の資格があった。共有されたインセンティブグループの医師および患者は、これらのインセンティブを共有しました。医師と対照群の患者は、結果に結びついたインセンティブを受けなかったが、すべての患者参加者は、試験参加のためにそれぞれ最大355ドルを受け取った。

 

主なアウトカムと措置:12ヶ月でのLDL-Cレベルの変化。

 

結果:LDL-Cの平均減少は、33.6mg / dL(95%CI、30.1-37.1;ベースライン、160.1mg / dL; 12ヶ月、126.4mg / dL)であった。医師のインセンティブの患者は平均27.9mg / dL(95%CI、24.9-31.0;ベースライン、159.9mg / dL; 12ヶ月、132.0mg / dL)の平均減少を達成した。患者インセンティブの患者は、平均25.1mg / dL(95%CI、21.6-28.5;ベースライン、160.6mg / dL; 12ヶ月、135.5mg / dL)の平均低下を達成した。対照群では、25.1mg / dL(95%CI、21.7-28.5;ベースライン、161.5mg / dL; 12ヶ月、136.4mg / dL; 4群すべての比較でP <0.001) 。共通の医師 - 患者インセンティブグループの患者のみが、対照群(8.5mg / dL; 95%CI、3.8-13.3; P = 0.002)と統計的に異なるLDL-Cレベルの低下を達成した。

 

結論:プライマリケアプラクティスでは、医師や患者のためのインセンティブではなく、医師と患者のための金銭的インセンティブの共有は、12ヶ月でLDL-Cレベルの減少に統計的に有意な差をもたらした。しかし、この削減は控えめであり、このアプローチが良い価値を表すかどうかを理解するためにはさらなる情報が必要です。