医療法人の組織活性化に効く!
[Tue., 11 Sep, 2015] 東京は昨日までとうってかわって、青空が気持ちいいです。
さて、今回で最終回!「病院受付の"おもてなし力"向上作戦」の実例ご紹介です。
(第1回、第2回はこちら↓)
会議の中で、出来ていないことを指摘すると、意図は無かったとしても、結果的に個人を問い詰めている、ということはありませんか?
まずはポジティブなお声がけにより、相手に受け入れられ、前向きな気分になってもらいます。
その上で、「しかし(but)」ではなく「さらに(and)」こうすると上手くいく、こう変えると良くなるかも、という建設的な意見や改善案を差し上げるのです。
減点法よりも加算法で意見を積み上げていくことで、相手の共感を生み出し、行動の変化につながることを期待するのです。
”おもてなし力”向上作戦において、当法が介入先で実際に行ったものは、以下のとおりです。
- ロールプレイ<第1回の記事>
- KPTシートにポジティブ・フィードバックを集積<前回記事>
- すぐ出来る”トライ”を、個々に設定し宣言<今回の記事>
今回は(3)すぐ出来る”トライ”を、個々に設定し宣言、について共有します。
ポイントは3つだけです。
- KPTシートのKeep、Problemを全員で共有する
- T(トライ)の部分を、個人で考える(5分〜10分)
- 各自、皆さんの前で宣言する
まずはKeepとProblemについて、ロールプレイ後にレビューワーからコメントしてもらいます。但し、Problemについては事前に「建設的な改善案、つまりこうすればもっと良くなるとか、これを変えれば良くなる」という意図を明確にしました。
それを全員で一斉にシートに張り付け、共有します。ポジティブなコメントを差し上げつつ、改善点や問題点も一緒に指摘し易いわけですね。
その後、各自が頂いた付箋で一杯になったシートを眺めながら、これから行っていくこと、改善点を幾つも書き出します。最後に、その中でもすぐに出来そうな点を選び、全員の前で共有=宣言して頂く、というわけです。
(医療アドミニストレータ誌へ寄稿しました)
結論として、この方法で自身のくせや不足分に気づいた方が多かったようです。
研修後の感想を一部、ご覧ください。
【研修報告より】
・個々の対応能力を見ていただくことで、とても有意義な時間だった・自分が出来ていること、出来ていないことが良くわかった・自身の一つ一つの動作を口に出し、実況中継すると、相手の方は安心する・相手の気持ちになることで、自然とやさしい対応になる・動作や言葉かけをゆっくりとして、相手を不安にさせないようにする・他部門との連携をさらに深めたい
実は、この方法はダメ出しと同様のことをしているにも関わらず、指摘が相手自身への攻撃ではなく、その人や自分達の気付きになっています。この点で、ポジティブ・フィードバックの有用性が示唆されます。
悪いしらせや課題を指摘しなければならない時でさえも、まずはどんなことでも良いので「ポジティブな」ことから発言してみると、相手がちゃんと、話を聞いてくれるかもしれません
まずは、今回のKPTシートによる振り返りを、来週月曜日のカンファで始めてみませんか?