幾つもの書店でベストセラーで、先日、休暇でオーストリアに発つ直前の羽田空港で購入
結局は、機内でStar WarsのI-IIIを観てしまったので(爆)、帰国後に拝読
【職業が変わる】
英語や国語はAIにとって、まだまだ難しいとのことですが、数学や社会などは既にMARCHレベルの大学入試を突破できる実力を付けてきたそうですね
大学入学人口が減少しているので、競争率は今後、二極化していくでしょう・・・つまり、著名な大学・学部は人気が高まる一方で、特色がないところには志願者が集まらず、定員割れが続出する・・・
問題は、そこではなく、大学卒業後にあります
AIでも入学できる大学において、何を学ぶか?何を学んだか?
AIでもできる仕事は、企業からは消えていきます
AIでは難しい、AIにはできないことができない限り、就職できないというわけです
【テクノロジーにできないこと】
著者は科学技術について、「よく分からないこと、複雑なことを数学の言葉を使って言語化し、説明していく営み」であり「同時に、言語化できなかったことを痛みをもって記憶すること」だと定義しています
また、「「似ている」と「似ていない」の両方をフェアに冷静に見据えること無しに、まともな技術は生まれない」とも仰っています
AIという言葉がない・聞かれない日がないくらい、一般的なキーワードになってしまいましたが、その本質は「AI技術」であり、今のAIの延長・今の数学という学問では「真の意味でのAI(人工知能)」が出来るはずがないそうです
これは「無意識、意識を問わず私たちの全ての意識を全て論理、統計、確率に還元することはできない」、つまり現在のAI技術では、会話や思考の「意味が理解できない」からですね
コミュニケーション能力、理解力、柔軟な判断力はAIでは難しい=我々が努力して高めていくべき能力です
【いくつになっても養えるもの】
比較や計算、元になるものが明確である前提における発見や類推については、数学や統計による処理によりAIが圧倒的に優位です
一方で、「一を聞いて十を知る能力や応用力、柔軟性、フレームに囚われない発想力、人間らしい合理的・倫理的判断、論理的な読解と推論の力」については、何歳になっても養えるものだとのことで、本書にも中学校や大学院生の事例があげられています
現在の高校生は、上記の能力が危機的な状況になってきているので、これが著者が「AIで東大入試突破」するプロジェクトや、日本の教育における読み書き・論理的思考を高めていこうという活動を始めたキッカケとのこと
そうです、「聴く」「読む」「話す」という基礎的なリテラシーや論理思考が伴わないと、大学にも入学できない未来が、もう来てしまったわけです
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自身も、子どもたちも、論理思考やコミュニケーション能力、柔軟かつ人間らしい倫理観を学び、養い続けていこうと思います