20週間でイノベーションが起こせる組織開発メソッド

たった20週間で、バラバラだった個人を一つに束ねビジョンを打ち出す「組織開発」プログラムの赤裸々なノンフィクションあれこれ

コミュニケーションの土壌に欠かせない共感の創り方

"真の多職種チーム・ビルディング3ヶ条"をサッカー日本代表歴代監督に学ぶ[書評]

医療法人の組織活性化に効く!

 
[Tue, 22 Sep, 2015] 昨晩、懇親会で韓国料理を堪能しすぎて、朝からお腹が・・・(汗)。今朝は、せっかく珍しく家族総出で、ベーカリー・カフェに行ったのですが、自分だけ何も食べられず、コーヒーのみ。自宅に帰りながら早速お腹が・・・フンだり蹴ったりの一日でした(爆)。
 
さて、今回のテーマは”グループ”から”チーム”への進化です。
 
多職種のチーム、未だに好き嫌いやヒエラルキーで発言したりしなかったり、意思決定を放棄したり、アイディアを持っていても、あえて表に出さず・出してもらえず、歯がゆい想いをしていませんか?(泣)
 
チームとは、意図を持って「つくり」出すもの。
集まった人たちに相乗効果が生まれている状態であります 。
つまり、一人ひとりの力の総和以上のものが、掛け算によって生まれているのです。
(本書より)
 
今回ご紹介する書籍では、上記のような「チーム」の定義を明確にした上で、日本一有名で、日本一プレッシャーのかかる、そして日本一誇り高い「チーム」であるサッカー日本代表チームに注目。
 
代表初の外国人監督であったハンス・オフト監督以後の歴代チームを分析し、そのコンセプトや各監督による組織の「つくり」方から、我々が学べることを指摘しています。
 
チームの書棚

amzn.to

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以下、多職種の集まり=グループを、プロフェッショナルの「チーム」に引き上げるために、すぐに役立ちそうな3つの視点でのメモを共有します。
 
題して真の多職種チーム・ビルディング3ヶ条とは・・・
  1. 規律、原則、公平性
  2. 自主性と主体性をいかに引き出すか?
  3. リーダーの最も重要な仕事とは?
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1)規律、原則、公平性
日本代表のチーム「つくり」は、オフト監督の就任(1994米国W杯予選)が本当のスタートでした。その3つの肝とは「目標の共有」「役割と適材適所」そして「強固な人間関係」です。
そして、チームには明確な「コンセプト」、つまり一言で皆に伝わるキーワードや共通言語を浸透させ、それは皆がすぐに脳内に描ける「絵(Picture)」であれ、といいます。
 
これは、当方が医療法人と共同開発している「共感スタイル構築メソッド」でも最重要視している理念・ビジョンの可視化と同様です。
 

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 (医療法人大誠会での「ビジョン可視化ワークショップ」での一コマ)
 
また、ワールドカップで戦うためには、チームづくりもグローバル・スタンダードが必須であり、トルシエ監督(2002日韓W杯)も基本を徹底することを求め、チーム内の規律、原理原則、公平性を重視していましたね。
 
 
2)自主性と主体性をいかに引き出すか?
ジーコ監督時代(1998フランスW杯)のコンセプトは「自由」。
結果は伴わなかったものの、きっとジーコは選手たちを「大人として扱う」ことで、自分で決める、自ら考えることを求め、チームの誰もが主体的で、創造性豊かなサッカーを志向したのでしょう。
 
ジーコの来日時、鹿島での彼の姿勢は「プロフェッショナル」であり、周囲にもそれを求めたこと。
プロ意識を持ち続けること、それは日々の行動のなかで成果に向けた努力をいかに積み上げていくか、が重要だということです。
 
医師の指示で動くというチームが病院組織の基本コンセプトではあります。そして、これからの多職種連携チームは各職種一人ひとりがプロ意識を忘れず、自身の判断や決断によって動くことが、患者・利用者の便益を最大化することに貢献できる場合もあるはず。
 
また、プロであるということが各人を「大人として扱う」ことであり、それは「自由」であり楽しいことでもあります。
 
リーダーはプロであるが故に「自由」であり、自身で決断しながら成果を出す「楽しさ」を伝えていくことも、重要な役割です。
 
 
3)リーダーの最も重要な仕事とは?
ズバリ「メンバーの頭の中の整理整頓(ザッケロー二監督:2014年ブラジルW杯)」。
彼のチームづくりは「シチュエーショナル(状況に応じた)・リーダーシップ」でした。
 
このリーダーシップの肝は「相手の思考の整理のために、観察と質問をしながら、相手に合わせてメッセージを伝えていくこと」。
つまり、人によって対話の質と量を変えるために、緻密な観察や質問をすること。そして、思考の整理のための「場合分け」を提案していくことが重要なのです。
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オフト監督以後の歴代監督が掲げていたチームづくりのコンセプトを、キーワードでたどるならば、
 
オフト「基本」-> 加茂「組織」-> 岡田「思考」-> トルシエ異文化」-> ジーコ自由」-> オシム哲学」-> 岡田「チーム力」-> ザッケローニコミュニケーション」、そしてなでしこの佐々木監督は「リーダーシップ」 。
 
どんな組織のチーム・ビルディングプロセスにも当てはまりそうな流れを感じませんか?
 
その結果、ワールドカップに連続出場できるような、グローバルなチームを創りあげることができるかもしれません。
 
さぁ、あなたもまずは「私たちのチームの目標って、共有されているのかな?」と部下に向かって問いかけてみませんか?
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そうは言っても、業務が立て込んでて、目標とかビジョンの話なんてできる時間が・・・(汗)。
 
いえいえ、時間はどこかで捻出して、対話が出来る関係を構築しましょうよ。
 
当方が実際に介入している施設・法人での組織活性化事例を踏まえて、コンセプト・ビジョンの「可視化」実施例をお見せできます。
 
また、院内研修や、職員さんとのコーチングでも活用している「レゴ® シリアスプレイ® メソッドを用いた対話術」も体験できますヨ。
 
もちろん、公認のトレーニングを修了し、医療介護の現場の皆さんと多数の経験を積んでいる、ファシリテーターが「正しい」方法で、あなたの「本音」に迫ります(笑
 
イノベーション経営に欠かせない「共感」の創り方、語りませんか。
10/9(Fri.) @東新宿にて(第3回好評募集中)

empathyhospital10.peatix.com

 

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【追伸】

自身、オフト監督にはかなり陶酔していた(当時)のですが、トルシエの振る舞いや言動にも、相当影響を受けています(外資系で過ごしていたからか・・・笑)。

トルシエの発言で、とても感銘を受けているのがこれ・・・

「変革には、考え方も、感受性も、まったく異なる人びとを”やる気にさせるコツ”を心得ておく必要がある」(p.109)

まさに「着火させることが、組織開発の肝である」という当方の哲学(Phillosophy)であります。