20週間でイノベーションが起こせる組織開発メソッド

たった20週間で、バラバラだった個人を一つに束ねビジョンを打ち出す「組織開発」プログラムの赤裸々なノンフィクションあれこれ

コミュニケーションの土壌に欠かせない共感の創り方

ツールのお勉強はもう充分!?欧州発イノベーション・メソッドがなぜ、日本の組織に馴染むのか?

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オープン・イノベーションメソッド

 

[Thu, 13 Oct, 2016] FORTHメソッド公認ファシリテーターのご縁で、ベルギーのデザインファームと繋がりました。今年はベルギー・日本友好150周年で、その関係のお仕事で来日されたPeterさんとJohanさんです。我々BMIAや当方のビジネスパートナー、クライアントさんとイノベーション議論をする機会を持っています。会話していく中で、なるほど〜と共感できるポイントが、今回のテーマです。

 


「ツールのお勉強や、アントレプレナーが一匹狼として大企業相手に行うピッチや、付箋をたくさん貼り出すワークショップでは、組織全体が巻き込まれるようなイノベーションは決して起こらない」という真実(涙)


ベルギー始めヨーロッパの組織メンタリティ、マインドセットは日本と酷似しているのだとか。


各部門、組織間の「サイロ化」が進行し、個人の役割分担の細分化が行き過ぎてしまっている。


新しいプロジェクトなり製品開発は、R&Dから始まり生産、流通、企画、マーケティングと順番とルートを辿ることが遵守され、製品・サービスが営業部に届く頃には「あれ、これを売るの?」という声が上がってしまう・・・。


結局、無理無駄の広報・プロモーションで経費がかさみ、利幅を圧迫していくのですね(汗)。


そして社内で言い争い、犯人探しが始まります。

 

「こんな製品が売れる訳ない!」

    VS

「こんなに良い製品だから、売れない訳がない!」(悲)

 

どうすればよいのか?


彼らの著作に描かれた「Radical Design」が一つの方向性を示してくれています。

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Create Meaningful Stuff: Radical Design (English Edition)

Create Meaningful Stuff: Radical Design (English Edition)

 

 

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製品・サービスだけを見るのではなく、ビジネスモデルのイノベーションまで広範囲に捉えることが求められています。


単なるツールのお勉強はもう十分、イノベーションを起こすための「方法論」を試行錯誤するステージに、そろそろ移行する時期です。


そのために、まず必要なことは「未来思考(Future Sketch)」=構想力を高めること。


描いた未来にどれだけのファクトを積み重ねていけるか、未来に至る過程をデザインし、小さな実験を繰り返して学び、成功も失敗も振り返ることで、次の実験のためにデザインし、そして実行し、新たにファクトを得る。


この学習サイクルを組織内に構築していきます。


積み重ねていったファクトからアイデアが自然と湧き上がってきます。


まさに破壊的なアイデアや「新コンセプト」が生まれても、自分たちだけでGoサインを出してはいけません。


ソーシャル効果でレバレッジをかけるため、まずは(想定)顧客を見つけ集め、共創できるコミュニティーを創るのです。


ここに集う仲間こそ、最初のターゲット顧客であり、熱狂的なサポーターであり、インフルエンサーです。


製品やサービスに対する様々なインプットやフィードバックを加えてくれます。


最も強力なファクト=エビデンスが積み重ねられ、いよいよ本格的なスケールアップの準備完了です。

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自身、FORTHイノベーション・メソッドのエバンジェリストとして、全プロセスを国内初導入し、無事に2つの新コンセプトが本格開発へ受け渡されることとなったり、メソッドの背後にある哲学を語り実践してもらうなど、様々な場面で普及すべく活動しています。


多くの人はイノベーションを起こしたい、必要だと言いますが、イノベーションと言えるレベルのサービス・製品の開発を”組織として”始めるには、「ツール」や「流行りの手法」だけでは決してうまくいかないのです。


Radical Designの詳細や原則(Principal)を聞けば聞くほど、FORTHメソッドと同じ問題意識や苦労を元にした方法論であると理解できます。


同じ問題意識、苦労とは何なのか?
それは・・・


イノベーションは一人のアイデアから増幅するのではなく、「組織のメンタリティが変わることで、一気に花開くものである」という彼らの価値観があるのです。


FORTHメソッドの開発者Gijsさんも、しきりに声をあげています。


インベンション(発明)は一人で生み出せるが、イノベーションは、決して一人では起こせない


その心は、イノベーションの定義にあります。


イノベーションとは、今までになかった新しい何かを皆で生み出し、世に出し受け入れられ、広がり持続するプロセスをデザインすること。


そこには、顧客への共感、ラディカル(刺激的)なコンセプト、そして「共に創り出す」という組織内のメンバー同士の、価値観の共有が欠かせません。


だから、まずは組織の経営に責任を持つマネジメント・幹部職が「イノベーションを起こすのだ」と自ら行動し始める”マインドセット”に変わらなければならないのです。


一方で、価値観やマインドセットは、目に見えるものではありません(インタンジブル)。


話し合いをし続けるだけでは、決してお互いを理解し合えることはないでしょう。


FORTHメソッドでは、イノベーション・プロジェクトの「チームメンバーを決める前」に、上層部同士である程度、中長期的なビジョンを策定します。


社外へ出向き、非日常的な環境下で、各々が脳内にある想いやアイデアを書き出し、共有していきます。

 

  • なぜ、今、イノベーションが必要なのか?
  • 必要なのは何か?製品か、サービスか、それともビジネスモデルか?
  • 誰のために?誰を幸せにしたいのか?
  • 満たすべき条件は?顧客の幸せと同時に我々が幸せになり、さらなる飛躍を遂げるために最低限、クリアしなければならないKPIとは?
  • どこで始めるのか?
  • そして、いつまでに開始するのか?


この6つのWを丁寧に、時間をかけて対話した上で、プロジェクト憲章=「イノベーション憲章」として明文化するのです。


Radical Designの第2ステップ「Design Challange」が、イノベーション憲章を含めて「戦略を定める」パートです。


これがアイデアを出す「前」にあるのも、FORTHメソッドと同じ。


トップの想いや覚悟を共有し、暗黙知が表出する過程を組み込んだ欧州発のイノベーション・メソッド。


組織で、チームでイノベーションを起こす世界標準になることでしょう。


と、いう訳で・・・


なかなか上司を巻き込めない、と嘆くイントレプレナーさん、諦めてはいけません。


まずは身近な上司なり、他部門ながら新しい取り組みに好意的な「サポーター」を2人見つけましょう。


なぜ、2人で良いのか?


この動画が、答えを明快に教えてくれますから・・・
↓↓↓

www.ted.com

デレク・シヴァーズ「社会運動はどうやって起こすか」

 


サポーターになってくれる彼女・彼らが「方向性」を定める際に、大きな存在になるはずです。


小さく、小さく着実に進めましょう!

 

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BMIAのオフィスにて。三宅理事も参戦して頂き、大企業・大組織のマインドセットや風土、そして彼自身のBig Challangeについての経験をシェア。ベルギー組もしきりに頷いていました(笑。

 

 

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