医療法人の組織活性化に効く!
[ Thu, 26 May, 2016] とある人たちと、医学教育のお話をしました。他職種との連携やチーム医療が望まれるなか、医師の徒弟制度はどうなっていくのか。若手医師の職業観、キャリア志向はどうなっているのでしょう。若い医師の成長をサポートできれば、我々の未来にとっては価値が高いはず(笑)。仕掛けていきたい分野のひとつです。
今回のテーマは「栄養サポートチーム(NST)」
感化されたのはこちらの書籍!
本書の帯に書かれている衝撃の事実、それは・・・
「がん患者」の大半が、栄養不良による感染症で亡くなっている
もともとは肝臓外科医であった東口先生が、この事実に気づき、栄養サポートを極めていった経緯と、栄養やとこずれ(褥瘡)、飲み込み(嚥下)について、医学的な知識なしでも気軽に読めるのが本書です。
さて、タイトルにあるGFOとは?
これは「Gulutamine-Fiber Oligosaccharide」というオリゴ糖の栄養剤のことで、東口先生が開発し術後の栄養管理に有用とのこと。これにより、今は術後すぐに栄養が補給できることで、患者さんの回復が早くなるそうです。
さて、・・・
栄養が術後のアウトカムにとっても重要だと分かり、研究を進めていた東口先生。きっと、当時の彼のフリクション(Friction:切実な悩み、不安、障害)は、以下のようなものだったのではないでしょうか?
私は、術後の栄養管理のための栄養剤を開発した外科医。アメリカでは栄養管理が基本であると知り、日本でも多職種でチームを組んで感謝の栄養管理を行いたいと切望していました。しかし・・・国内では栄養管理が医療とみなされず、医学教育の中にも入っていませんでした(泣
日本の病院には専属チームを作るほどの余力がなかったのです。
そこで、東口先生はPPM、いわゆるポットラックパーティー方式を思いつきました。実は、ドラゴンボール(あの、アニメです)からヒントを得たとのこと。元気玉のエネルギーのことです(ご存知ない方は、ぜひ調べてみてください…笑)。
つまり、すべての部署・職種から1、2名ずつ集まってチームを組み、兼任でNSTの業務にあたる。問題症例があれば、チームで対策を検討し、結果や知識を他のスタッフに広めていったのです。
最初は母校でのNST立ち上げ計画が却下されたり、次の赴任先でも理解者が少なく、批判的な人も多かったとのこと(イノベーターに特有のお悩みでしょうね・・・涙)。
しかしながら、実際の活動により(とこずれや感染が減って)患者さんの入院期間が短縮するなど、効果が出始めれば、反対の声は小さくなり、賛同者や勉強会に参加するスタッフが、他院からも来るようになったそうです。
一方で、医療費削減のために入院期間が短縮され、病床数も増えず、患者さんは完全に回復せず退院させられてしまう・・・病院の外でも、栄養管理ができる仕組みこそ、今、求められているのです。
きっと、これからは院内に加えて、在宅や介護サービスの中でNSTチームが活躍することになるでしょう。そうなれば、関与する職種はいっそう増えます。
連携のためのコミュニケーションやチーム・ビルディング、マネジメントの重要性が高まることになりますね。
そんな時、まずは自分のチームの存在目的を、皆で明確化してみませんか?
ゴール設定と、それを皆で共有することは、最も大切なことですからね。
そうは言っても、・・・とお悩みですか?
いい方法があります(笑)。
「ファシリテーション」を学ぶことです。
座学のお勉強も重要ですが、それ以上に「ロールプレイ」で実体験する!
その場で全員が参加し、学び合えば知識が「経験」となります。
極めて短時間で、周囲を巻き込めるファシリテーターに、なりませんか?
この書籍で「3つのコツ」をまとめています。