価値観と科学に基づく経営で大成功を収めたアムジェン。
その経営における「科学的な方法」とは・・・
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ステップ1:答えたいと思う質問を定義する
「仮説を検証するために管理された環境を作るのが実験である」
事例)2つではなく1つの製品の販売をした方が、セールスマンはより心地よく、より生産的になれるのか?
ステップ2:実験の詳細を決定する
・客観的な測定を確保するには、被験者の無作為化+被験者の性質をできるだけ同一にする
事例)現在のやり方群と、新しい方法群双方の販売員が同数の顧客と同じような大きさの担当地域を持っている
ステップ3:結果をどのように測定するかを決定する
・営業スタッフの満足度を1−5で評価
・販売実績を前期の実績と比較
・販売実績を販売割当と比較
このようにして、データという証拠を集めて分析する「科学的アプローチ」は自由な思考を促進する。
質の高い試験結果に基づく意思決定は、「いいアイデア」「悪いアイデア」あるいは「彼のアイデア」「彼女のアイデア」というレベルから抜け出して判断を非人格化する。
重要なのはアイデアそのものを評価すること、提案者を評価するのではない。
検討して上手くいかなかった結果から、何を学べるかを議論し、それから前に進めばいい。
(第3章:科学とビジネスの遭遇 pp.73-76より改変)
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その他、第10章「アムジェンはどうやって社員をやる気にさせていたのか」には、組織構築や人財活用に関する金言が多数散りばめられている。
一部キーワードを紹介したい。
・協働的な環境を創造する
・社員には間違える権利がある
・自由な視点
・不必要な争いを避ける
・相互の信頼と尊敬
・不必要な階層を除去する
・社員の成長を支援する
・たいていの場合は楽しくやっていい
・称賛、時間、気配りは気前よく
・評価の中に価値観を加えよ
・社員が誇れる会社であれ
・活気を保つため変化を取り入れよ
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科学的経営、価値観経営、最高である。