20週間でイノベーションが起こせる組織開発メソッド

たった20週間で、バラバラだった個人を一つに束ねビジョンを打ち出す「組織開発」プログラムの赤裸々なノンフィクションあれこれ

コミュニケーションの土壌に欠かせない共感の創り方

15分間死亡前死因分析「とんでもない失敗に終わるとしたら?」

同じ情報を受け取った九人が全く同じ結論に至ったとしたら、10番目の者は必ずそれに反論しなくてはいけない。どれほど荒唐無稽な意見になるとしても、10番目の者は、他の9人が間違っているという前提で考えなくてはいけないのです

(映画「ワールド・ウォーZ」より)

 


いまや誰もが第二のウーバーに警戒し、破壊者が出てくることを心配している。だが、ただ闇雲に心配するのではなく、それを仕事の一部に組み込み、会社の業務運営の中に採り入れてしまえばいいんだ

(アラン・ムラーリー;元フォードCEO)

 


本書はアメリカ陸軍発のプログラム「レッドチーム大学」を元にした思考法を解説している

 


現実的で有意義な会話こそが、新たな脅威や機会を探索し、環境の激変について別の見方から評価する「拡散的&収束的」思考、または「反対思考」の有用性を、幾つもの事例・実績で提示している

 


特に有用で、即取り入れるべき「自社と将来への計画を再評価する」レッドチーミング法を、自身の備忘録として供覧したい

 


1)レッドチームを立ち上げる(p.156レッドチームを作る)

>メンバーが持つ性格は9つに分類される

 


2)「4つの見方」分析で、顧客が自社をどう見ているか、競合他社をどう考えると予想されるかを徹底的に掘り下げる(p.247: 4つの見方)

>サービス向上に直結する何らかのアイデアが明らかになれば、メモしておく

 


3)「死亡前死因分析」で、他社の登場によって自社が廃業に追いやられるというシナリオを考える

>自分たちでその流れを変えられそうな要素が隠れているか考える

 

時間が無い中で、最善を尽くしたいならば・・・開始前に15分間だけ対話しよう

「とんでもない失敗に終わるとしたら、どういう風に失敗すると思う?」

 


4)公表情報等で、新たな脅威に立ち向かう計画を立案

>業界リーダー、KOLや顧客インタビューで一次情報を収集し吟味する

 


5)立案された計画を「主要前提チェック」(p.213)

>確率分析(p.218)や、時間がかけられるならば真珠の首飾り分析(p.221)まで行い計画の成否に大きな影響を及ぼす事象、それによって生じるカスケード効果、そして意図しない結果を突き止める

 


6)最終的な計画案、及び具体的な第一歩の候補リストを提示

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レッドチーミングが有用なのは、計画実行「前」である

 


ゆえに、動き始めてしまう前に「意思決定」をより適切に、失敗確率を減少させる材料や行動案を提示しなければならない

 


そう、レッドチームは確実に「成果」を出さなければならないのだ

 


だから「すべてを疑問視」する反証的テクニックを駆使し、異なる視点から物事を眺め、対立する意見を述べることが重要であり、批判に対して図太く振る舞うことが肝要なのだ

 

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レッドチーム・イノベーション――戦略的異論で競争に勝つ

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そう言えば・・・レッドチーム思考って、以前もありましたね

レッドチーム思考 組織の中に「最後の反対者」を飼う

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